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遠州弁の箱

遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります

ばか

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ばか

遠州弁における「ばか」。

*とても・大層・凄くという意味。

「ばかでかい」。「ばか痛い」

*やけにという意味。(ただし「ばかに」に限る。やけ=ばかという事では無い。)

「ばかに今日機嫌いいじゃん。どぉしたよを。」もしくは「今日ばか機嫌いいじゃんどぉしたよを。」

「馬鹿正直」だと素直すぎるということであるが「ばかに正直」だとやけに正直ということになる。

*感覚が無くなる・麻痺するという意味

「寒過ぎて手がばかになってきた。」

*駄目になる・使えなくなる(用途を為さなくなる)・壊れる(壊れた)という意味。

「ねじ締め過ぎてばかんなった。」

物に対して使うもので人に対しては使わない。って、「頭使い過ぎてばかんなった」と言ったらこういう意味になるかあ。でも麻痺ともとれるからいいのか。まあ微妙ではあるがとにかく物に対してのみ使うのが基本である。

*相手の注意をこちらに向けさせようと訴えてるだけで言葉そのものには意味のない感嘆詞。

「やあばかっつら、なにやってるだあ。」

*失敗した・ミスを犯した・しでかしたという意味。「やった」・「こいた」・「見た」とかがよく次に続く。

「やあ、ばかやっちゃってえ。駄目でえ作り直しでえ。」

共通語的には「馬鹿を見る」は「損をする」という意味であろうが遠州弁は「ばかみちゃった」は失敗したという意味でも使われるものである。自分の過ちに対して発せられるものであり他人に対しては次の意味となる。

*やめろ・するなという急ぎの制止の意味。

「あっばかっ、なにやってるよう。」

過ちを犯したとかこちらの意図と違うよかいうような場合での緊急を要する制止の意であって、咎めているニュアンスはまだこの時点では「ばか」には含まれてはいない。他の言い方としては「ちょう」・「ちょっとを」とかがある。

*馬鹿という意味。

これは共通語と同じだと思ってる。が、あまりこういう意味では使われてない気がする。「馬鹿にする」はよく使われるが。

「すぐそうやって馬鹿にするう。」

*ちなみに勘違いということでいえば「ちっとばか」での「ばか」

これは「ばかり」・「ばかし」の略されたもので「馬鹿」ではない。

なんかまだ他にもあるような気がするのだが改めてとなると浮かんでこない。なので以上で全てというものではないのであしからず。

これらをひとつの文章に組み込んでみると

「やあばかっつら、ばかにばか冷たくて手えばかんなっただか知らんが力の加減出来んくてネジ締め過ぎてばかんなっちゃってえ。やいやいばかやっちゃってえ。失敗こいた。」

  (うわあ!なんだよ。やけに凄く冷たくて手がかじかんだのか知らないけど力の加減が出来なくてネジを締め過ぎてネジ山なめちゃったよ。あ~あミスったあ、失敗しちゃったあ。)

「ばかじゃん。ばか楽っつって馬鹿にしてるもんで。馬鹿冷たいくらい気が付くらあ。ちゃっちゃと終わらささす性根もかんだよ。」

  (間抜けだなあ。すげえ簡単だってなめてるからだよ。手がかじかんでるくらいわかるだろ。サッサと済ませようという考えも駄目だよな。)

「そんなばかばか馬鹿っつわんだっていいじゃん。」

  (そんなこれでもかという位ダメ出ししなくてもいいじゃないか。)

例文音声はこちら


追記

「アホ」という意味の「馬鹿」と、「とても」とか「凄く」・「大層」・「相当な」といった意味の「ばか」。理屈からすれば同じものなのかもしれないが、日常使いに於いては意味的にいってもイントネーションに於いても同じものではない。

意味においては特に説明の用はないと思われるが

イントネーションについては「馬鹿」と「ばか」の違いはとにかく聞けば分かる。

「馬鹿」は「ば」を強く発するものであるが(「屁馬鹿にする」とか「小馬鹿にする」とかいった例外もあるが)

「ばか」は基本平坦であり、たまに強調する際に「か」を強く発する。基本の場合、共通語での「馬鹿らしい」という言い方の「ばか」のイントネーションとほぼ同じであろうか。

そういう意味では「ばかやろう」はイントネーションからいくと「大層な野郎」という事になるのだが。まあ「なんて野郎だ」と拡大解釈すればなんとか言い訳が立つか。

それはともかく、なんでもかんでもいつ何時でも「ばか」を連呼する遠州弁はぞんざいだという声も耳にするが、「馬鹿」と「ばか」は同じではなく二種類の「BAKA」が遠州には存在するものであり(まあ、「馬鹿に張り切ってる」とかは共通語だろうからこの意味使いが遠州独特というものでは決してないわけであるが)それが顕著なだけなのである。

「ネジ山んばかんなってる。」これは「馬鹿」である。訳は「ネジ山が潰れている。」。機能しないから「馬鹿」と言っている次第。

「ネジんばか固い。」これは「ばか」である。訳は「ネジが凄く固い。」。

「ばかに寒い」。この場合の「「ばかに」は「やけに」という意味であり「馬鹿」か「ばか」か判断に迷うところだが「ばか」という方に属するのであろうな。

「ばか寒い」。これは「とても寒い。」といってる訳でモロ「ばか」であろう。

「ばかみたく寒い。」。「異様に寒い」と言ってる訳だがここでの「ばか」は感覚的には多分「馬鹿」だろうかなと勘繰る。普通(まとも)じゃないから「馬鹿」を使っているという算段。

蛇足というかちょっと話が変わるが尾張の方辺りは「えらい」・「えりゃあ」が多用されると映る。その度を超えたものが「どえりゃあ」や「ばかえりゃあ」になると思われるのだが、遠州弁で「ばかえらい」は「大層しんどい・疲れる・難儀」とかいった意味になり時として誤解(意味が通じない)事があったりなんかする。

「どえりゃあ」・「どえらあ」・「ばかえりゃあ」を遠州弁に置き換えるとすれば「どがんこ」・「ばかがんこ」とかになろうか。

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