遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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開かない・開きゃしないという意味。「開かん」というのは共通語的表現であろうが遠州弁では古い日本語的表現の「あからん」ほうが一般的である。「あかん」の場合のみで「ひらかん」とかでは「ひらからん」などとは使わない。ちなみに「あかん」なら空かん・開かんどちらでも「あからん」という表現を使う。
開けられないは「開けれん」という表現が多く使われる。「開からん」と「開けれん」違いは「開からん」のほうが開けたいのに開かなくてくやしいといった感情が強いニュアンスになる場合がある。
例文
「いんやあ参った。蓋ん馬鹿堅くきせてあっててちいとも開からんやあ。」
(いやあ参った。蓋が物凄く固く締まっていて全然開かないよ。)
「かしてみっせー。わしんやってみるで。」
(貸してみなよ私がやってみるから。)
「がんこだにい。」
(凄く固いよ。)
「まかしょう。こう見えても結構握力あるだで。」
(まかせなさいって。こう見えても結構握力あるんだから。)
「ほい。・・・・・おい開きもしんにい。」
(って・・・・ちょっと・・開かないじゃないか。)
「今日はたまたま調子悪いだよ。」
「いつもだらあ。どうせあけれれんならはよ返せやあ。」
(今日だけじゃないんだろ?結局開けられないならもう返して。)
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飽きたと云う意味。秋田を「あいた」とはもちろん言わない念のため。
空いた・開いたとはイントネーションが違う。「履いた」ではなく「掃いた・吐いた」に近い「あいた」というイントネーション。
ただし「飽きっぽい」は「あいっぽい」とは変化しない。
例文
「はああいた。」
(もう飽きた。)
「なんでえはああいただけえ。飽きっぽいやっちゃやなあ。」
(なによもう飽きたの?飽きっぽい人だねえ。)
「おんなしこんの繰り返しばっかでどつまらん。」
(同じことの繰り返しで物凄く詰まらない。)
「人生と一緒。なにやっても同じだにい。」
注、私見ではあるが、「なんでえはああいただけえ」は初級。中級だと「なによーはああいたあ。」となる。上級だと「なにぃはああいただぁ?」
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あっちっかわ・こっちっかわ。
あちら側・こちら側が訛るとこうなる。「あっちこっち」を「あっちゃこっちゃ」という人もいる。そういう言い方をよくする人は「あっちゃがわ・こっちゃがわ」と言う人もたまあにいる。
もっと大雑把に指す場合には「あっちらへん」・「そっちらへん」。
場所は明確ではあるがうまく指し示す事が出来ないような場合には「あっちんさあ」・「こっちんさあ」とかを使う。ただしあくまで一例でこれ以外にも言い方はあろう。
例文
「天竜川の西のこっちっかわは浜松で東のあっちっかわは磐田でえ。」
以前はこう言ってもおおよそは間違いではなかったがでは市町村合併でそうとも言えなくなった。
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開けろ・開けてくれといった意味。命令形と依頼形が混ざり合った不思議な言い回しでもある。他人というか余り親しくない人に対しては発しない言葉。というかしょっちゅう使うと不遜と思われる。
急な際に発せられることが多く意外と緊急性があり、こういわれてもさもさしてると怒られる。
「よお」という命令形の言い回しが味噌になるわけで「開ける」に限らず「やれ」と言いたい時に使われる。
「閉めろ」なら「閉めよお」。
例文
「やあぼさっとしとらんであけよお!」
(おーいぼーっとしてないで開けてくれ。)
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「開けよう」ではない。しいて挙げれば「開けろよ」の方が近いか。
お兄さん。あんちゃんの変化形。語尾を上げる遠州弁の特徴に対応するために変化したものと思われる。意味は共通語の「あんちゃん」と同じで親しみにも侮辱にも使われる。
「あにき」・「あんにい」とかの他の言い方と比べると親密度は最も低い印象を受ける。
例文
「親戚んとこのあんちゃあがさあ。ゆうだよお。こんなもんに金かけんなって。」
(親類の兄貴がね言うんだ。こういうことに無駄使いするなって。)
「じゃそのあんちゃあどうせよっつうよ。」
(なら、その兄貴どうしろって言いたい訳?)
「んなもんつくりゃ安くあがるじゃんかっつーだよお。」
(そんなもの自分で作れば安く済むって言うんだ。)
「馬鹿こいちゃかんて。作れんもんで買うじゃんかなあ。」
(無理言うなって。作れないから買うんじゃないか。)
「だらあ?普通。」
(そうだよね普通はそう思うだろ?)
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