遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
方言だとは思っていないが、全国的な喰いもんじゃないのかもしれないので一応記載。
イワシのだし粉とかさば節などをかいて(削って)粉上になったもの。
お好み焼きやおでんにつけるもので、あおのり・かつおぶしとともに良く使われるものである。
他の地域ではおだしをとるために使われるものかもしれないが、直に喰いもんにまぶして喰うのは地元の醍醐味だけなのだろうか。
でもうまいっつうか癖んなるにい。こんにゃくあたりだとこんにゃくの味というよりもかきことあおのりのハーモニーの味しかしんくて、歯ごたえがこんにゃくのぷにぷにとかきこのしゃりしゃり感を感じる。他の薬味として紅生姜があるが、かきこと紅生姜をいっしょくたに喰うのは私的にはどうかと思う。あおのりと紅生姜はありだと思うけど。
味については自分で食って確かめてつかあさい。コクが深いのが特徴といやあ特徴。絵としてみたい方は「さば節」で検索すると焼津あたりの業者さんのHPに載っている筈。
共通語として「覆い被さる」という表現が存在しているので、特に遠州弁ということでもないのだろうけど「かぶさる」だけで色々と使うというところが方言チックかと思い記載。
当然意味は「被る」と言う意味。被せるの変化したものかどうかは定かではない。被せるだと意思が感じられるが「かぶさる」は意思の範疇ではなく状態を示す感じである。
「覆いを被せる」という共通語を遠州弁に変換するときには「覆いをかぶさる」とはならないということである。「覆いがかぶさる」(覆いが被っている)であり「覆いを」と言う場合は、「覆いをかぶす・かぶさす」となる。
もう少しわかりづらく説明しようと思ったのだが書いててこんがらがってきたのでこの辺で。とにかくニュアンスを説明しにくい言葉であるということである。
というのも「さる」という言い回しが丁寧に言う際の「おいでなさる」の「さる」(しゃる・助動詞・せらるの変化・せられる)とごっちゃになっているからである。ここで紹介している「さる」はその状態になっているという様を表すための言い回しであるのだが、その境界線がよく見えないのである。例えば「とんまさる」はどっちなんだとなると「お捕まりになられた」とも考えられるし「捕まる」とも考えられるのである。
被っているは「かぶさってる」
被せるはそのまま「被せる」若しくは、「かぶす・かぶさす」
こういう「さる」表現の言い回しは他には「おぶさる」・「とんまさる」とかがある。
例文
「あの山のてんこちょに雲んかぶさると明日は雨だで。」
(あの山のてっぺんに雲が被ると明日は雨になるから。)
「だでなによを。」
(だからなに?)
「だで明日あ雨だで外行く時傘忘れんでっつうこん。」
(だから明日は雨降るから外出するなら傘忘れずにってこと。)
「すけなくとも一歩もいごけん入院患者同士の世間話じゃないわなあ。」
(少なくとも一歩も動けない入院患者同士の世間話しじゃないよな。)
「まあそりゃそうだのえ。」
(まあそりゃそうだねえ。)
例文音声はこちら
構う事はないと言う意味。同様の表現にニュアンスは異なるが「とんじゃかない」というのもある。
「かまわすけえ」は気にしないというニュアンスで使うことが多く。
「とんじゃかない」は知ったこっちゃないというニュアンスで使うことが多い。
もちろん必ずしも上記の法則がある訳ではないのであくまで「多い」ということでどのように使おうが相手に意思が伝われば言い様はなんでもかまわすけえなのだが。
ぐちぐちと書いてるが、実際は
「かまわすけえ、とんじゃかないわ。」とセットで言うことが多く、あまり違いは無い。
他の表現としては「かまわんよを」(構う事ないって・気にしないで)
女性言葉でもあるが野郎も使う。
「かまわすけえ」との使い分けについては、どうしようかとか承諾を求められたりした際は「かまわんよを」。対象相手及び聞いた人の意思に関わらずやろうとする際は「かますけえ」。ただし女性は「かまわすけえ」は使わない傾向が強い。
例文1
「これ勝手に持ってっちゃってええだかいやあ。」
「かまわすけえ。ええらあ。」
「後でぶつくさ言われたらどうする?」
「そんときゃそんときだあれ。」
例文2
「これ勝手に持ってっちゃってええだかいやあ。」
「かまわんよを。ええで持ってきない。」
「後でぶつくさ言われんか心配だやー。」
「うちのもんだでひゃあひゃあゆう奴ぁおらんでええって。」
例文音声はこちら
空き缶のこと。「かんかん」と云う表現の方が一般的だったかもしれないが、まだ中身が入っているものを「かんかん」と呼んで中が空になったものを「かんからかん」という使い分けをしてたような気がする。それに蹴っ飛ばすなら「かんからかん」の方がしっくりくる。宙に舞って地べたに着いた時の音のスケッチにも思えるところだし。そう思ってるのは私だけ?
例文
「昔しゃあかんからかん蹴っとばいて、よう缶蹴りとかして遊んだなあ。」
(昔は空き缶蹴って、缶ケリとかしてよく遊んだよなあ。)
「釘で穴んふたつ開けてそんでそこんさあに紐通いて履き物にして竹馬みたくしても遊んだよなあ。」
(釘で二箇所穴開けて、そこに紐通してそれ履いて手で紐操って歩いたりして遊んだよなあ。)
「おお!そういやあそういうのもあったなあ。」
「工作得意な衆らはかんかんの蓋で手裏剣とかこさえてたし。」
(工作が得意な奴らは空き缶の蓋加工して手裏剣とか作っていたし。)
「あれ危なかったよなあ。」
「銀玉よりかやばかったもんなあ。」
「2B弾も怖かったけどやあ。」
「話しぁ変るけどマブチのモーターでスクリューんなってる奴あったらあ。」
「ああ、戦艦とかの船底に吸引ゴムかなんかでつけて不稼動の観賞用を稼動にさしたやつな。」
「あれんよーはずれて魚雷みたいになって沈んじゃったよな。後で池かっさらうの往生こいたもん。」
「校舎の中庭の池だらあ。先生にめっかると五月蝿いもんで確かに往生こいたわ。アニキの勝手に持ってって後でどんじかられたりな。」
「金持ちおっただか知らんが自分のじゃないもんまでめっかってどれん自分のだか決めるのに頭使ったなあ。」
「タミヤのウォーターラインシリーズとかでやった?」
「あれ直ぐ逆さんなるもんで駄目だったような記憶があるよを。殆ど潜水艦状態だったしい。」
「ほうかね。」
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しょっぱいと言う意味。塩辛いの塩を省いた言い方ということであろうか。特に遠州弁と云う事ではないのだが遠州でもそう使うということで。
舌がピリピリするということでは辛いもしょっぱいもおんなじだからであろうか。
そういう意味なので「ちょっと塩辛い」程度では使わない言い方と思える。
「しょっからい」・「しょんばい」と言う使い手もいる。
ただ「からい」の方がより「しょっぱい」という感じがする。
例文
「なによこの味噌汁。馬鹿からいじゃん。」
「ほぉ~お?」
(あらそう?)
「あんたこんなじゃ嫁行けんにい。」
「なんとかなるらあ。」
「なんとかなんかならんて。」
「なるようにしかならんて。」
「いやだやあ親はなに教えてきただって言われるだでねえ。ちゃんとしてやぁ。ふんとにもう。」
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