遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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~くらいに・ほどにと言う意味。
「け」が「くらい」・「程」ということなんだろうな。
「いらんけに」(いらないくらいに)
「くさるけに」(腐るほどに)
「売るけに」(売るくらいに)
「あふれるけに」(あふれるくらいに)
などなど
ただし、使い方は限られており、「どれくらいに」を「どんけに」とは言わないなど~くらいにを全て「けに」にして言うわけではない。
「ようけに」(一杯に・たくさんに)という表現もあるがこれは「ようけ」+「に」なので種族が異なると思われる。
例文
「お米いらん?」
「なんでえ、気前ええじゃんかあ。どうしたでえ。」
「在所寄ったら、おっかさこれでもかっちゅう位いらんけにお米こらしょとよこしたでえ。」
(実家に寄ったらおふくろが持って帰れない位たくさんお米をくれたんだ。)
「やっぱ出来ん悪い子だけにちゃんと飯くってるだか心配してるだなあ。」
「おめえに言われたかあないわ。」
例文音声はこちら
煙い・煙たいという意味。「けむり」を「けぶり」と言うかというと、うちの集落ではすけなくとも聞いたこんない。そういう場合は「けぶ」と言う。
例文
「ちゃんと火いつくまで薪これ以上くべんでいいでねえ。けぶんでるだけでしょんないだで。」
(ちゃんと火が点くまで薪をこれ以上くべなくていいからね。でないと煙が出るだけでしょうがないんだから。)
「わ!風こっち来た。馬鹿けぶい。」
(うわ~。風がこっち向いて来た。すごく煙いよお。)
「だらあ。けんむいらあ?だで無闇にくべるじゃないっつっただに。」
(そうだろ煙いだろ?だから無闇にくべるじゃないって言ったのに。)
例文音声はこちら
喧嘩しそうな勢いでというニュアンスの言葉。物凄い喧騒という場合で使う時もある。
集落によっては喧嘩そのものを指すところもあるらしい。うちの集落では実際の殴り合いとかではなくその手前というか、例えば会議とか言い合いとかが白熱して掴みかからんばかりの状況などを指す場合などで使われている。
共通語という認識なんだが違うのかな。
例文1
「あいつどえらい剣幕でつっかかってたにい。」
(あいつ物凄い剣幕でつっかかってたよ。)
「けんかもんかの騒ぎだった?」
(騒然とした雰囲気だった?)
「うん、そおゆう勢いだった。」
「で、どおなったよお。」
「ほいたらさあ、相手んにやけた笑いしたもんでそれ見てあたあ来たらしくてホントにぶっさぐっただよお。」
(そしたらさ。相手がにやけたような笑い浮かべたもんだから、それでカチンときたらしくて本当にぶん殴ったんだ。)
「洒落んなんないじゃん。」
(そりゃ笑い話じゃ済まされないねえ。)
「だらあ?」
(そうだろ?)
例文2
「バーゲン行って来ただか?」
(バーゲン行って来たの?)
「行ったよぉ。馬鹿大変だったにい。もうけんかもんかで奪い合いでぇ。」
(行ったんだあ。もう奪い合いの大騒ぎで頑固大変だった。)
「そんな品数すけなかっただ?」
(奪い合いになるほど品数が少なかったの?)
「知らんよお。周り見れる余裕なんかあらすかぁ。眼ん前のもんいぜるしかできやせんかっただもん。」
(無理だって。周り見渡す余裕なんかないんだもの。もう視界に入る物しか選びようがなかったんだもん。)
「欲しいもん買えただ?」
(欲しいものは買えたの?)
「買える訳ないじゃん。疲れただけで行って馬鹿みた。」
(買える訳ないでしょう。疲れただけで行くんじゃなかった。)
「でもなんか買っただらあ?」
「そりゃあそうだら。手ぶらで帰れすけえ。それこそ馬鹿じゃん。」
(そりゃそうでしょ。手ぶらで帰ったらそれこそバカみたいじゃん。)
例文音声はこちら
実はこの言葉私にとっては外来種というか名古屋辺りからの輸入物で、その意味はけだるいの訛った表現だと暫く(ずっと)勘違いしてた。
正しくは羨ましいとかいう意味らしい。
古語辞典には「けなりい」{口語活用の形容詞}うらやましい。「けなるい」とも。とあった。
色んなサイトとかに伺うと遠州弁として登録されてるところもあるのだが、少なくともうちの集落では他所から入ってきた言葉という印象が強い。
意味さえ正確に知らなかったくらいというのとヒアリング専門(しかも勘違い)で自分では使ってないので、応用の例文作りようがないので割愛させていただきます。
順に、「消える」・「消えた」・「消す」と言う意味。「消」と言う文字を「け」と統一して発音するということ。若干「消えるは「きえる」という人の方が多いが。
ちなみに帰るも「けえる」と言うのであるが、イントネーションが異なるので聞き間違うことはまずない。
例文
「やあ!がんこ蚊あに喰われるだけど。なんでだあ?」
(おーいー。すごい蚊に刺されてるんだけど。どうして?)
「そりゃO型の衆は喰われ易いっつうこんじゃないのけ?」
(そりゃあO型の人は蚊に刺されやすいって言うしね。)
「をたこいてちゃかんて。ちゃんと蚊取り線香焚いてるだか?」
(冗談言ってないでちゃんと蚊取り線香焚いてるのか?)
「失礼しちゃうやあ。ケチってるみたいじゃんかあ。ほれ見っせえ。」
(失礼だなあ君は。まるでケチってるみたいじゃないかほら見てみなよ。)
「けえてるじゃんかあ。」
(消えてるじゃないか。)
「あれま。ふんとだ。」
(あれ?本当だ。)
「ふんとにじゃねえよ。てんめえわざとけやいたじゃねえらなあ。」
(本当だじゃないよ。もしかしてわざと消したんじゃないだろうねえ。)
「そんなこすいこんせるかあ。する訳ないじゃん。だけえがどうしちゃっただかいやあ。」
(そんなせこい事しないよ、する訳ないだろう。でもどうしちゃったんだろう。)
「はあええでちゃっとつけろやあ。」
(もういいから早く点けてくれよう。)
例文音声はこちら