遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「やあもおっ馬鹿っ面!」
職場や街頭で誰に向かって言うでもなく、しかしあからさまに周りに聞こえる位の大声でこう騒いでる奴がいたら、そいつは相当テンパッてるので、近寄ってはいけない。ただし、誰かに向かってその後に「あんたねえどうしてくれるよう。」と続いたら言われてる人を絶対許さない勢いで糾弾しているということなので、レスキューに向かうべきとなる。
ちなみに、度合いでいくと、「やあ」か「もう」だけならアセッてる程度。
「や~あっも~っほんっとに~い馬鹿っつらあ!」となるとこれはもう最上級のイッチャってる状態で、視線すら合わせてはいけない。これを聞くとその場の雰囲気が一気にドヨヨンと気が滅入る。
これとにたような言い回しでも「てめえ」が入ると意味合いが違う。
先輩が新入りなどに向かって言う「やあてめえ馬鹿っつら」は(おいちょっと待て・なにやってんだお前は)という注意する際の掛け声みたいなもので、言葉そのもに意味はない。文字で表記すると違いが分かりづらいが、実際に使われる場所・物言いの違いではっきりと分かる。
「おんもい。もうよさりかかっちゃかん。」
(重いよう。もうもたれかからないで。)
「そこん やごい だで よさりかかっちゃ かんにぃ 危ないだでえ。わかったあ?」
(そこは壊れそうだから寄りかからないようにね。危ないから。分かった?)
大体これが方言だとは全然思っていないから、共通語に翻訳するとき、「よさりかかる」をどう訳せばいいのか随分悩んだ。それだけ当たり前に使っているので。特に(寄りかかる)なんかは普段使い慣れていないのでこれでいいんだろうかと半信半疑状態。「さ」が一文字入るか入らんかの違いだけれども、こうも違和感があるのは不思議でもある。そして何故「さ」が一文字付け足されたのかも不思議である。
例文音声はこちら
ニュアンス的には体重とか重心がのる状態のことを指す。手を添えるとか壁(守ってもらう)とするというニュアンスのものではない。なので共通語で「親の経済力に寄りかかる。」といったものを「よさりかかる」という表現はあまりしない。こういう場合には「よっかかる」をよく使う。
「しなだれかかる」みたいな色気のある物ではない。むしろ邪魔臭いと感じるような時に体重乗せてくるなよという意味で使われることの方が多い。「よさりかかる」には「うっとおしい」というニュアンスがこもることが多いということであろうか。
ニュアンス的には「もたれかかる」が一番しっくりくる訳となろうか。
やらせろ・やろうかと言う意味。
「あ~も~見ちゃおれん。やらしょ。」
(あ~も~見てられない。俺にやらせろ。)
「あ~も~見ちゃおれん。わしやらっか。」
(あ~も~見てられない。俺がやろうか?)
他には
「あ~も~見ちゃおれん。まかしょ。」(まかせろ)
「あ~も~見ちゃおれん。かしょ。」(貸せおれがやる)
「あ~も~見ちゃおれん。やりいんだら。」(できないんだろ)
例文音声はこちら
どこぞの唄で「やっしょうまかしょう」という掛け声があるが、それと遠州弁の「まかしょ」が同じ意味で使われてるのかは定かでない。「やっしょう」は凧の錬りで使われているのでまあ多分一緒でしょうけど。
大分時間がかかるよと言っている。「やああっと」は「やっと」が訛ったものだと思っていたが「久し振り」を「やっとかぶり」(八十日振り)と言うのでそちらからの「やああっと」(八十日)ということから来た可能性もある。が、定かではない。
例文 ある機械の修理に来た人とお店の人の会話
「どんくらいかかる?」
(どれくらいで直る?)
「やああっとかかるよお。こんだけいっちゃってると。」
(大分かかるよこれだけ壊れてると。)
「やああっとってどんくらいい?」
(大分ってどのくらい?)
「ま、そうでえの部品の注文で在庫あるなしにもよるけど。在庫あっての話で一週間ってとこかあ?」
(まあそうだなあ、部品の在庫にもよるけども、在庫あったとして一週間ってとこかな)
「そんなもかかるう!」
(そんなにかかるの?)
「そりゃそうでえ。ぜんぜん手入れしとらんだもんで、そっこらじゅうサビサビじゃんかあ。だで全とっかえしんとかんだもんで一度全部バラさんとかんだもん。そんくらいくれんとやりおせんて。」
(そりゃあそうだよ。全く手入れしてなくてそこいらじゅう錆びだらけじゃないか。だから全部取り替えするために一度全部分解しないといけないから。一週間は見てもらわないと無理だって。)
例文2 道を尋ねる人と答える地元民
「すいません道をお聞きしたいんですけど。」
「どこまでよう。」
(どちらまで?)
「あのう、○○というお店なんですけど。」
「ああ。ほいたらよう、こん道ん真っつぐ行ってえ行きんどまったらあ、右ん折れてえ、3つ目の信号越えたらあ、くろん方にめえると思うだけどやあ。」
(ああそうしたらねえ、この道を真っ直ぐ進んで突き当たったら交差点を右。3つ目の信号を越えたら角の辺りに見える筈だけど。)
「はぁ。ありがとうございます。どれくらいかかりますかねえ。」
「そうでえの歩いてくだらあ。やああっとかかるにいここからだと。ポンポンで飛んできゃあっちゅうまだけどや。」
(そうだなあ、歩きだと結構かかるよ。オートバイで飛ばしてきゃあっというまだけどね。)
とにかくなんでもかんでも・たくさんに・滅多やたらに・無秩序に・計画性もなしにとかいうニュアンスの言葉。
とあるアニメソングの一節の
「なんでもかんでも皆踊りを踊っているよ」これを遠州弁にすると
「なんしょかんしょでやたらくしゃ踊りい踊ってるだよを」とかになる。
例文
「やたらくしゃ溜め込んで捨てやせんもんで、信じれんくらい足ん踏み場んない。」
(なんでもかんでも溜め込んで捨てないから、信じられないくらい足の踏み場がない。)
「本人わかってるだでええだ。あ!そこふんずけちゃかんにぃ。CDのケース割れちゃうでえ。」
(自分が分かってるからいいの。あ!そこ気をつけて。CDのケースあるから。)
「うそだらあ!普通床に置くかあ?信じれん。」
(嘘だろう!普通床に置くか?信じられない。)
「自分の普通をやたらくしゃ押し付けるなあよかないにい。」
(自分の普通をやたらと人に押し付けるのはよくないよ。)
例文音声はこちら
足の踏み場がピンポイントになっていれば、床であろうと充分置くスペースになりうる。そんかわし人が入るとそのルートを知る由もなく非常に危険な状況になる。やたらくしゃ人が行き来する部屋では通用しない法則である。